民泊の駆けつけとは?駆けつけが必要な事例とトラブルを未然に防ぐ方法を解説!

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「民泊の駆けつけってそもそも何?」
「民泊の駆けつけ対応ってどんなときに行えばいいの?」

訪日外国人の増加や空き家活用の手段として、近年民泊運営への注目が集まっています。

民泊を運営するにあたり、多くのホストが頭を悩ませるのが「駆けつけ対応」です。

適切な駆けつけ対応を行わないと、ゲストからの信頼が低下するだけでなく、最悪の場合、営業許可の取消しや業務停止命令を受ける可能性があります。

この記事では、民泊の駆けつけが必要なケースや駆けつけへの対応策について解説しています。

民泊の駆けつけに自分で対応し、トラブルを未然に防ぐ方法まで解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事で解説している法令は、2025年9月18日時点の情報を元にしています。

目次

民泊の駆けつけとは

「民泊の駆けつけ」とは、民泊運営中にトラブルや緊急事態が発生した際、現地にホストや運営責任者が駆けつけて対応することです。

国土交通省が民泊運営に関するルールや基準を定めた「民泊新法」には次のように記されています。

住宅宿泊管理業者が管理受託契約の締結の勧誘をするにあたっては、住宅宿泊管理業務の適切な実施が確保できることを明らかにするため、届出住宅へすみやかに駆けつけることが可能な体制を有していることを委託者に示しながら行うことが望ましい。
引用:住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)‐国土交通省

また、「旅館業法」では各自治体によって要件が異なります。

徒歩10分以内であること:東京都墨田区、葛飾区など
移動手段を問わず10分以内:東京都渋谷区、福岡県福岡市など
※各自治体によって異なるため、申請の際に十分注意する必要があります。
引用:
旅館業許可の手引(墨田区)
旅館・ホテル営業のてびき(葛飾区) 
旅館業営業をはじめる方へ(渋谷区)
旅館業法に基づく許可申請及び運営の手引き(福岡市)

駆けつけ要件を満たさない場合、営業許可の取消しや業務停止命令を受ける可能性があります。

申請する際には十分に注意しておくべき項目です。しっかり抑えておきましょう。

民泊の駆けつけで注意すべき点

注意点は駆けつけ要件が地域によって異なることです。

民泊新法では、トラブルが発生してから現地に到着するまでの時間を「30分以内を目安」と定めています。しかし、京都市では「徒歩10分で到着できる場所(宿泊施設から道のりで、おおむね800m以内)」にホストまたは運営責任者が駐在することが義務付けられています。

民泊を始める際は、自身が運営しようとしているエリアでどのような条例が定められているか、必ず確認するようにしましょう。

出典:
住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)‐国土交通省
京都市内において、いわゆる「民泊」の実施を検討されている方へ‐京都市

民泊の駆けつけが必要なケース

民泊で発生する駆けつけ事案は複数あります。例として以下のようなケースをご紹介します。

  • 鍵が開かない場合
  • エアコンや家電が故障した場合
  • ガスがつかない場合
  • 虫が出た場合

鍵が開かない場合

民泊においていちばん重要なのがチェックイン時です。鍵が開かないと言われた際の駆けつけは、ゲストの信頼を守る上で重要になります。

無人運営の民泊では、電子キーやキーボックスに鍵を用意して入室することがほとんどです。しかし、稀に電子キーがトラブルを起こして解錠されないケースがあります。

ゲストから鍵が開かないと言われたらメッセージで連絡を取りながら、正しく鍵を操作できているか確認します。並行して駆けつけできる人に連絡を取り、宿に向かってもらいましょう。

しかし、以下の対策をすることでトラブルを防ぐことが可能です。

まず、電子キーが故障した場合は、予備のキーボックスを案内することでゲストは入室できます。Tabiiiでは設営時に予備のキーボックスを準備することを強くおすすめしています。

また、最初からキーボックスで案内している場合は紛失時に備えて、もう一つキーボックスを準備しておくと安心でしょう。

鍵が開かないときは駆けつけが必要なケースではありますが、未然に防げるトラブルであることも理解しておきましょう。

エアコンや家電が故障した場合

エアコンや家電が故障した際は、ゲストの快適性と安全の確保を最優先に対応しましょう。

状況を詳細にヒアリングし、必要に応じて遠隔操作や再起動を行います。

解決しない場合は現地へ駆けつけ、簡易的な修理や代替品の手配を実施します。修理業者との連携ルートを事前に確保しておき、修理に動ける体制を整えることが重要です。

ゲストの滞在場所を確保するためにも宿泊先の代替策を用意しておくなど、丁寧な対応を心がけましょう。

例えば真夏にエアコンが効かないようなケースでは、業者を手配して修理を進めることが重要です。しかし、即日修理できない場合は近隣施設(ホテルや民泊)を代理予約することも必要です。

対応が完了したら、ゲストへの経過報告と謝意を伝えましょう。信頼関係の構築を図ることでクレームを評価向上の機会へと変換できるのです。

ガスがつかない場合

ガスがつかないトラブルが発生した場合も、ゲストの安全確保と生活機能の早期回復が最優先です。

まずは遠隔でガスメーターの再確認や元栓操作の指導を行い、単純な操作ミスや停電の影響を確認します。軽度の地震でもガスメーターが反応して、元栓から止まることがあります。

問題が複雑な場合はガス事業者や専門業者と連携し、迅速に修理を手配します。

対応中はゲストの不安を軽減するため、IHクッキングヒーターの貸出や外食費補助などの代替策を提案し、真摯な対応を心がけましょう。

復旧後はガス器具の定期点検記録を再確認し、老朽化部品の交換などを通じて再発防止策を図ることも重要です。

虫が出た場合

ゴキブリやチャタテムシなどの虫が室内で発生した場合も、駆けつけ対応が必要です。

戸建てやマンションにかかわらず、民泊施設でも虫が発生することが考えられます。こまめな清掃を行っていたとしても、ゲストの荷物にくっついていたり、配管から侵入するケースなど原因は様々です。

虫が出たとメッセージがきた場合は、殺虫剤の場所を説明して使ってもらいましょう。ある程度落ち着いたらゲストの様子をうかがいつつ、お部屋に謝罪に駆けつけます。

清掃会社と協力してシーツ類などの全交換、再清掃を提案することもおすすめです。

虫が出ないように対策することも必要ですが、それ以上に「出てしまったときの対応」が最も重要です。ホストとして落ち着いて対応する心構えを持っておきましょう。

民泊の駆けつけへの対応策

民泊の駆けつけへの対応策は以下の2通りです。

  • 駆けつけ代行を利用する
  • 自分で対応する

それぞれ解説します。

駆けつけ代行を利用する

民泊運営でトラブル対応が難しい場合、駆けつけ代行の利用は有効な選択肢のひとつです。

鍵の故障や設備トラブルなど、急な対応が必要な場面でも、現地に赴きスムーズに処理してくれるため、ホストが離れた場所にいても安心です。近隣で駆けつけ対応できる人を確保しておくことおすすめです。

ただし外部委託である以上、費用が発生し、依頼内容によっては対応の限界がある点も考慮が必要です。

信頼できる業者選びと、対応範囲の事前確認が成功のカギとなります。

自分で対応する

民泊のトラブルに対しては、自分で対応する方法もあります。

自分で対応する最大のメリットは、コストを抑えられることです。外部のサービスに頼らず、ゲストと直接信頼関係を築けるため、きめ細やかな対応が可能になります。また、運営状況を自ら把握しやすくなるため、改善点の発見にもつながります。

一方で、時間や距離の制約がある場合は迅速な対応が難しく、特に深夜や長期不在中には大きな負担となります。

自分で対応するには、柔軟なスケジュールとトラブル時の判断力が求められるため、事前にゲストに伝えるハウスマニュアルを整備しておくことも重要です。

民泊の駆けつけに自分で対応する方法

民泊のトラブルを未然に防ぐ方法もあります。その際に抑えておきたいポイントは以下の2点です。

  • 緊急連絡体制を整備する
  • ゲストとのコミュニケーションを密にする

緊急連絡体制を整備する

民泊の駆けつけに自分で対応する場合、まず整えておきたいのが緊急連絡体制です。

ゲストがすぐに連絡できるよう、Airbnbのメッセージ通知をオンにしておきましょう。夜間や外出中でも通知を見逃さない設定にしておくことで、迅速な対応が可能です。あらかじめゲストにオーナーの連絡先を伝えておくと、トラブル時の混乱も防げます。

さらに、設備トラブルや鍵の紛失といったよくあるケースに備えて、連絡を受けた際の対応フローを決めておくと、スムーズな対応ができるようになります。

緊急連絡体制の整備は、信頼される民泊運営に不可欠なのです。

ゲストとのコミュニケーションを密にする

ゲストとのコミュニケーションを密にすることも非常に重要です。

事前にチェックイン前の確認やルール説明を行い、トラブルが起こる前から安心感を与えるようにしましょう。

また、問題が発生した際にはゲストに対して迅速かつ丁寧に対応し、状況をしっかり伝えることが信頼関係を築くポイントとなります。メッセージのやり取りはこまめに行い、何か問題が起きた際には即座に対応する姿勢を見せることで、ゲストの不安を軽減できます。

さらに、ゲストの意見やフィードバックを積極的に聞き入れ改善策を講じることで、より良い運営につなげられます。

コミュニケーションの質は、民泊の成功を左右する大きな要素となります。

民泊の駆けつけ体制を整備して安定した運営を!

この記事では、民泊の駆けつけが必要なケースや駆けつけへの対応策、トラブルを未然に防ぐ方法を解説してきました。

民泊を運営する際は、駆けつけ体制を整備することはもちろん、そもそもトラブルが起こらない体制を構築することが効果的です。

もし、日常的にこまめなメッセージのやり取りが難しい方には、メッセージ代行の依頼がおすすめです。

Tabiiiでは150件を超える施設のメッセージ代行を行っています。トラブルに慣れたスタッフがゲストへメッセージしますので、安心してお任せください。

気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

2006年から16年間ホテルに従事し、宿泊業に長く携わる。東京都内や地方都市で300室を超える客室の営業、管理を担う。Tabiiiでは営業やリスティング構築、運用などマネジメントを行う。

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